お知らせ

2022.07.04

お知らせ

オアシス広報誌「Azure 2022年7月号」発刊のお知らせ

オアシス広報誌「Azure 2022年7月号」を発刊しました

はじめまして。2022年4月から介護老人保健施設オアシスに管理医として勤務しております朝長毅(ともながたけし)と申します。この度、本広報紙「Azure」に投稿させていただく機会を得ましたので、簡単に自己紹介をさせていただきたいと思います。

私は1984年に千葉大学を卒業後、8年間消化器外科に携わりました。その後、縁あってアメリカ国立衛生研究所(NIH)に留学したことを契機に、約8年間、転写制御機構の解明(ゲノムDNAからRNAが作られる仕組み)や細胞分裂時の染色体分配機構の解明等の基礎研究を行いました。このまま基礎研究者になろうかなと考えた時期もありましたが、私の心のどこかに患者さんに役に立ちたいという思いがあり、その後は主にがんの早期診断法の研究に携わってきました。

がんの早期診断の研究を始めた理由は、私が外科の研修医だったころ、がんの発見が遅れたために全身に転移を起こして痛み苦しむ多くの患者さんを診てきて、早期発見の重要性を痛感していたからです。現在は医学の進歩により、より効果があって副作用の少ない抗がん剤が開発されてきていますが、まだまだ薬で完全に治ることはないので、早期診断は重要です。近い将来、血液1滴でがんを早期に発見できる検査法を開発したいと考えています。

また私は、3年前から研究のかたわら、訪問診療を週1,2回のペースで行ってきました。なぜ訪問診療に興味を持ったか、その根底には研修医時代のoversurgeryがあるように思います。当時の外科医はがんはメスで全部治せるという過信があり、そのため患者さんに無益な苦しみを与えてきた時代でした。その経験から、人生の最後をいかに楽に迎えることができるか、そのお手伝いができればと考えたのだと思います。今回オアシスにお世話になることを決めたのも、その一環のように思います。

病気の早期診断と終活は一見真逆のように見えますが、目的は同じで、人にとっての幸せです。私の残りの人生、この2つの重要な命題に挑戦し続けていきたいと考えています。

 

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