トップメッセージ

MESSAGE

理事長挨拶

「顧客満足」「職員雇用」「健全経営」、
三位一体での「安心・健康」を実現したい。

大阪市平野区の花は「わたの花」ですが、当地は古くから綿の集散地として栄えて紡績業が発展した町であり、私の家も代を重ねて紡績関係の会社を営んでおりました。やがて高度経済成長の翳りを迎え、安価な労働力を求めて多くの工場が海外移転していったことで日本の紡績業は衰退の一途を辿るようになり、それを見越した父は私たち子供に家業を継ぐことを勧めず、私は自らの意志で医学部に進学しました。
その後、父は事業転換を図り、これから訪れる高齢社会の一助となるべく、高齢者介護事業を始めました。当時、私はすでに家を離れ、医師として、また研究者として、大学院の糖尿病研究室で研鑽に努めておりましたが、人生の岐路は突然やって来るもので、2005年に父が急逝したことにより、法人の理事長に就任することになりました。業種業態は違えど、家業を継ぐことは宿命だったのでしょうか。私にとって経営者になることはまさに青天の霹靂でありましたが、幾多のご縁に支えられ、こうして17年が経過しております。

オアシスグループは1996年10月、「老人保健施設オアシス」の開設から始まりました。訪問介護や配食サービスなどの在宅事業、またデイケアやデイサービスといった通所事業の拡充をすすめ、2014年に「木下内科クリニック」を開院、そして2018年には「特別養護老人ホーム オアシス寿安」を開設し、在宅から施設入所までシームレスにサービスをご利用いただける体制を整備してきました。いまこうしてオアシスが存続できているのは、ひとえに皆様のご支援、ご愛顧によるものと心より感謝申し上げます。
私たちは「安心・健康を提供します」という理念の下、その実践を使命としています。医療・介護の総合ネットワークとして、ご利用いただく皆様へ「安心・健康」をご提供することはもちろんですが、職員雇用においても「安心・健康」を提供することが大切な使命であります。そしてまた、それらを永続させるためには健全な経営も必要であり、すなわち「顧客満足」「職員雇用」「健全経営」、これらすべてを三位一体として最大化することを目指しています。

謙虚さと倫理観を持ち、
困難を成長の機会にできる集団へ。

さて、いま世界中がさまざまな困難に直面しています。地球温暖化による危機的な環境破壊に立ち向かおうとする最中、新型コロナウィルスによるパンデミックで世界は分断され、さらに追い打ちをかけるようにロシアとウクライナによる国家間戦争が勃発しました。
かつて、地球規模の問題がこれほど同時に発生したことがあったでしょうか。さらに加えて、日本においては深刻な少子高齢化の問題があります。人口減少時代に突入し、高齢者人口もやがて頭打ちとなりますが、それ以上に少子化が進んでいるため、高齢化率はいましばらく上昇していくでしょう。社会保障制度をどのように維持していくのか、そして担い手となる人材をどのように確保していくのか、非常に難しい局面を迎えております。

しかし、この状況に悲観ばかりしているのではありません。人は必ずしも成功は約束されていませんが、心掛け次第で必ず成長することはできます。人は順境のときに成長するのではなく、努力して逆境を乗り越えるときにこそ成長します。この成長の真実を理解したならば、『人事を尽くして天命を待つ』という言葉の意味をより一層深く知ります。単に人事を尽くしたあとは天の運命に任せるということではなく、「人事を尽くして起こったことはすべて天の配剤」であり、思い通りの結果にならなかったときこそ、その逆境を乗り越えてさらに成長せよという天の導きだと解釈できます。さまざまな困難に直面しているこの現状を不運と嘆くのではなく、天から与えられた成長の機会と捉え、感謝の念を持って正対したとき、結局すべては自分の「心」の問題であることに気づきます。どれだけ科学技術が発展しようとも、物質的に豊かになろうとも、人間の営みなど悠大な自然のごく一部に過ぎません。あくまで自然が主体であり、その一部として生かしてもらっている(Living as Nature)という謙虚さを備え、慈悲や利他心といった経済合理性以外の価値観を併せ持って倫理的に行動することで、逆境を乗り越えていけるでしょう。人は「真善美」を知っています。それは私たちの精神に明らかに内在しているものであり、そのことを認識しさえすれば、人は自ずから倫理的になります。「損得で判断せず、善悪で決断して行動する」、これこそが「人事を尽くす」の基礎であり、これを実践して天命を享受し、そして常に成長していく、オアシスグループはそのような集団でありたいと思います。
略歴
平成5年

・ 大阪教育大学附属高等学校平野校舎卒業

平成11年

・ 神戸大学医学部卒業

・ 神戸大学附属病院、高砂市民病院、虎の門病院等勤務

平成15年

・ 神戸大学大学院医学系研究科入学

・ 糖尿病代謝・消化器・腎臓内科学講座(春日雅人研究室)にて糖尿病研究を行う

平成17年

・ 医療法人隆星会理事長就任

・ 大阪市平野区および東大阪市で介護事業(オアシス)を展開

平成20年

・ 神戸大学大学院医学系研究科修了(医学博士)

会長挨拶

「オアシスにきて良かった」と喜んでいただきたい。
原点の思いから、より充実したサービスを。

子どもの数が高齢者人口よりも少なくなった平成9(1997)年。この頃から少子高齢化が進み、「老々介護」「独居高齢者」また「介護人材不足」といった社会問題が浮上し、令和の今ではさらに深刻になって参りました。
前会長木下博勝が地元の平野区で『医療法人隆星会 老人保健施設オアシス』を開設したのが平成8年(1996年)のこと。4年後には介護保険制度が導入され、様々な法律の改定もなされました。

施設開設当初を振り返ってみますと、そのころまでは、高齢の皆様も住み慣れたご自宅でご家族と最期まで暮らすのが当たり前といった時代でありました。施設へ入居されたご利用者様の中には帰宅願望を抱く方も多くいらっしゃいましたので、私はご利用者様の皆さまには何としても「オアシスにきて良かった」と喜んでいただきたいとの思いでいっぱいでした。

近年は介護保険制度が浸透したこともあり、世の中の意識が次第に変わり、家族介護から社会全体で介護を支える時代へと移り変わってきました。とはいえ、できることなら誰もが住み慣れた家で最期まで過ごしていたいものです。身体の事情などで叶わなくなってサービスの利用を考えますが、私の原点は開設当初のその時にあり、今も変わっておりません。オアシスにご縁を下さったご利用者様には「オアシスにきて良かった」と喜んでいただき、人生の大切な最後のステージを豊かに過ごしていただきたいのです。
これからも誠心誠意、尽力して参る所存でございます。

平成17(2005)年、前会長が他界した後には木下真一が理事長に就任し、経営全般を担うことになりました。ご利用者様が安心してサービスを受けていただけるように、クリニックや特別養護老人ホームも開設し、オアシスグループ全体でお支えできるようにと考えて参りました。スタッフのみんなも、ご利用者様に笑顔あふれる日々を送って頂けるようにと研鑽を積み、四季折々の行事やイベントなどにも一生懸命取り組んでくれています。

ご利用者様、ご家族様そして一緒に働いてくれるスタッフ、ご協力いただく様々な業者の方々……すべての方に輝いていただけるようにオアシスグループの更なる充実に精進して参る所存でございます。今後とも、ご支援ご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。