1996年10月7日「介護老人保健施設オアシス」の誕生から四半世紀、このたびオアシスグループは25周年を迎えることができました。ひとえに皆様の温かいご支援とご協力の賜物であり、深く感謝申し上げます。
介護老人保健施設を中心に、訪問介護や配食サービスなどの在宅系事業、またデイケアやデイサービスといった通所系事業を拡げ、2014年に「木下内科クリニック」を開院、2018年には「特別養護老人ホームオアシス寿安」を開設し、医療・介護の総合ネットワークとして法人理念である「安心・健康」をご提供できる体制作りに努めてまいりました。おかげさまで、現在は16事業所・職員数500名ほどの組織と成り、数千名の方にサービスをご利用頂いております。過ぎ去ってしまえば瞬く間の25年ですが、これまでの道のりを思い起こすと感慨深いものがあります。
一方、この間における世の中の変化は凄まじいもので、科学技術の発達によって私たちの生活はとても便利なものになりました。しかし、物質的な豊かさと引き換えに、深刻な環境破壊が進んでいます。いま直面している新型コロナウィルスによるパンデミックも未開地を開拓することで発生した環境問題であり、地球温暖化によるわずかな気温上昇が世界中で豪雨や洪水、熱波、山火事などの異常事態を引き起こしており、日本も例外ではありません。
環境破壊の病巣を取り除くべく、私たちは行動に移さなければなりません。その病巣とは、自然を支配できるという傲慢さと、物質や金銭のようなものに価値を置く経済合理主義であり、人間のエゴそのものです。これこそまさに「三界唯心所現」、私たちの心が現実世界にそのまま現れているだけであり、結局すべては「心」の問題です。どれだけ科学技術が発展しようとも、物質的に豊かになろうとも、人間の営みなど悠大な自然のごく一部に過ぎません。あくまで主体は自然であり、私たちは自然の一部として生かしてもらっている(Living as Nature)という謙虚さを備え、慈悲や利他心といった経済合理性以外の価値観を併せ持って、倫理的な行動を取らなければ、人類はこのまま自滅の道を突き進むでしょう。
人は「真善美」を知っています。それは私たちの精神に明らかに内在しているものであり、そのことを認識しさえすれば、人は自ずから倫理的になります。損得で判断せず、善悪で決断して行動しなければなりません。未来はまだ定まっておらず、変えることができるはずです。