オアシス広報誌「Azure 2023年4月号」を発刊しました
麗日の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。新型コロナウィルスの発生から3年余が経ち、感染者数も徐々に減少し、人々の交流を通じた活力ある日々が戻ってきていることを実感します。政府はいよいよ5月8日に、感染症法の分類を「5類」に引き下げることを決定しました。季節性インフルエンザと同等の扱いとなり、入院勧告や就業制限、外出自粛などの要請がなくなります。一方、感染者の診察は保険診療で自己負担が発生し、ワクチン接種はいずれ自費診療となっていくでしょう。コロナウィルス感染に対する世間の認識が大きく変わっていきますが、それは私たち人間側の認識変化であり、ウィルスは急に消えてなくなるわけではありません。これまでに習得した感染対策を継続していきましょう。
オアシスでは、基本感染対策として「①手洗い②うがい③歯磨き④マスク⑤換気⑥加湿」を励行しています。さらに、迅速な情報共有を徹底することで感染拡大を防ぎ、入所系施設の一部でクラスター感染が発生したものの、すべての事業所において営業停止することなく現在に至っております。皆様のご協力に深く感謝申し上げます。
日本では「失われた20年」という言葉が人口に膾炙して久しいですが、コロナ禍の3年間も「失われた3年」だったのでしょうか?確かに、行動制限が課されたことで、さまざまな機会が奪われたということはあるでしょう。しかし、この間に掴んだこともあるはずです。私どもの介護老人保健施設(定員100名)では、オミクロン株が大流行した昨年8月に、入所者様17名・職員15名のクラスター感染が発生しました。職員が次々と出勤できなくなり、一時は運営を継続できるかどうかの土俵際に追い込まれましたが、職員の懸命な努力により持ち堪え、入所者様は一人たりとも医療機関へ搬送することなく、終息させることができました。この経験の中で職員の協調性と結束力は高まり、今となっては自信に繋がっています。そして驚いたことに、クラスター発生から1ヶ月後に実施された職員のストレスチェック(労働安全衛生法による)において、ストレス度が悪化していると予想されたのですが、むしろ前年より大幅に改善し、業界平均よりもかなり良好な結果が出たのです。これは、職員が悪戦苦闘のなかで精神的に成長した事実を示すものであり、とても嬉しいことでした。
コロナ禍は「逆境を乗り越えるときに成長する」という真実を、改めて智慧として掴む貴重な機会でした。即ち、「幸運は不運の姿をしてやって来る」という言葉が心に染み入ります。幸不幸は絶対的なものではなく、その人の解釈が決めているだけであり、成長の真実を掴めば、起こることすべてに意味があり、すべてが肯定されます。人生において成功は約束されていませんが、成長は約束されています。解釈力を磨きながら、人生の修行を続けていきたいと思います。