盛夏の候、皆様におかれてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
本年6月、社会福祉法人大和福寿会は、「特別養護老人ホーム オアシス寿安」(大阪市平野区長吉六反1丁目)と同じ建物の1階に、内科診療所「クリニック オアシス・寿安」と、これに併設した通所リハビリテーション事業「デイケア オアシス寿安」を開設しました。 医師の管理に基づくマンツーマンのリハビリテーションや機能訓練、健康的な食事、ご近所の方々との交流の場の提供を通じて、在宅高齢者の心身機能の維持・向上と、自立した生活をサポートいたします。今後は、オアシスの通所サービスの特長である、ゲストやボランティアの方々によるイベントやレクリエーションを多数開催し、上質かつ癒しと安らぎに満ちた空間で、非日常的な時間をお楽しみいただく予定です。
さて同じ6月に、認知症対策大綱が閣議決定されました。2025年には認知症の人が約700万人(65歳以上の2割)となる中、増え続ける社会保障費の抑制に向けて、認知症の「予防」と認知症の人々との「共生」を2本柱とした取り組みが進められます。
残念ながら、現時点では認知症を予防する決定的な方法は見つかっていません。「生活習慣病の予防・治療」「適度な運動」「脳の活性化」「達成感」「他者との交流」などが効果的とされていますが、これらを意識して日々の生活に取り入れ、継続することは簡単ではありません。
そこで無理なく認知症を予防する方法として、働くことの有用性に期待しています。仕事をすれば頭や体を使い、同僚や顧客との人間関係が生まれ、達成感も得られます。自分のためだけに頑張り続けることは難しいですが、役割や責任を与えられると、簡単には辞めないでしょう。
老年学者の調査によると、現在の70~74歳の平均的な歩く速度は10年前の5歳若い年齢層と、また75~79歳の平均的な歯の数は11年前の10歳若い年齢層と同じだそうです。健康志向による食事内容や運動量の改善、医療の進歩により日本の高齢者は若返っており、70歳を超えても働ける方が増加していると考えられます。
認知症の発症時期を遅らせることでQOLは高くなり、自身や家族にかかる様々な負担を軽減できます。高齢になってからは、お金よりも健康寿命を稼ぐために働こうと考えれば、仕事の選択肢は広がり、モチベーションも維持しやすくなるでしょう。そしてそれは結果的に生活を豊かにし、さらには労働力不足という日本が抱える大きな問題の改善にも寄与することになります。
オアシスグループは認知症対策として、認知症予防・介護予防のため、また認知症や要介護状態になっても安心して生活していただくため、医療・介護・福祉サービスの包括的な提供に努めるとともに、高齢になっても安全に働ける仕事や職場環境、福利厚生を用意し、自身の健康維持と社会の負担軽減に取り組む方々を支援してまいります。