盛夏の候、皆様におかれてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
本年5月に、管理本部を介護老人保健施設から平野区役所北側の新事務所に移転しました。グループ内最大の現場を抱える老健を離れることの影響を懸念していましたが、それは杞憂に終わりそうです。 施設・事業所を歩いていると、他部門・他職種の職員同士が業務について会話をしている光景をよく見かけるようになりました。このような風土が醸成されつつあるのは、職制(所属・職位)を軸とする縦の組織を横に貫く「委員会」、「会議」、「研修・勉強会」の効果であると考えています。
「委員会」が、業務効率改善やPR活動、経費節減、接遇向上、事故・感染症防止、教育体制整備、IT化推進といった間接的な取り組みを推進し、「会議」において現場のリアルタイムな情報の共有や、現場と間接部門の認識のすり合わせを行います。そして「研修・勉強会」において、専門領域だけではなく社会人・組織人としての必要な知識・技術を幅広く学びます。特に「フライデーセミナー」は、優れた人物や理論をトピックに理事長の考えやスタンスを理解することができる貴重な場です。これらへの参加を通して、自分の得意分野や関心事に取り組む機会が職場にあること、また快適な職場づくりや理想とするサービスの提供のためには自分自身が積極的に運営に関わっていく必要があることに気付き、やりがいや楽しみを見出した職員が増えています。
以前は、専門職は現場業務に忙殺されていると考え、主に法人本部が間接業務を担っておりました。これが専門職の意欲や機会を奪っていたのかも知れません。自分の学生時代を思い起こせば、どんなに勉強が忙しくても、部活に一所懸命取り組んでいました。「やりたいこと」と「やらねばならないこと」は両立可能であり、むしろ「やりたいこと」があるからこそ「やらねばならないこと」も頑張れるのではないでしょうか。専門職が「やりたいこと」をどれだけ用意できるかが、仕事のパフォーマンス、ひいては業績(=地域への貢献度)を左右するのだと思います。
法人や各施設・事業所が抱えている問題・課題を共有し、その解決や改善に向けて全職員の積極的な参画を促し、自由闊達に意見交換ができる仕組みができれば管理職や事務職だけでは思いつかないようなアイデアが出てくることでしょう。上司や本部職員には、それらを真摯に受け止め、その行動を適切に評価していく姿勢と資質が必要になります。
オアシス 管理本部 部長 吉本 大輔