新型コロナウィルス感染症は、まさに未曽有の事象であり、時間の経過とともに、このパンデミックの重大さが明らかになってきました。
いまなお、世界では感染者が増え続けています。
一方、日本では都市封鎖をすることなく、強制力のない自粛要請で感染拡大を抑え込むことができました。
これはまさに、日本人が備える規律正しさや清潔さといった特性の賜物だと思います。
しかしながら、有効なワクチンや治療薬が実用化していない現状では、残念ながら感染が終息したとは言えず、まだまだ油断はできません。
政府は新しい生活様式を示しました。手洗いやうがいの励行はもちろん、マスク姿が当たり前になり、 “3密”を避けるべく、買い物は通販で済ませ、仕事はもちろん、飲み会までもがオンラインで行われます。
昨今のデジタル革命で起きていたコミュニケーションの変化がさらに加速されました。
このような急速な環境変化の中で、今まさに私たちは、自然淘汰という篩に掛けられています。
変化というのは必然であり、いつの時代も変化に適応できる者だけが生き残ります。
篩から落とされないよう、新常態にしっかりと適応しなければなりません。
そして、悲観してばかりでは何も始まりません。
目に見える諸相はすべて心の投影であり、解釈力で景色が変わります。
人生で起こることは必然であり、すべてに深い意味があります。
新型コロナウィルス感染症という逆境に直面したことにも、必ず意味があるはずです。
かつて、アルベール・カミュは著書『ペスト』において、「天災のさなかでも、人間の中には軽蔑すべきものよりも賛美すべきものの方が多くある」と記しています。
日本人は、数々の天災を乗り越えて特性を磨いてきました。
人間の成長は、努力や苦労によって逆境を乗り越えるときに得られます。今回もまた、その成長の糧になるはずです