秋気が肌にしみる季節となりましたが、皆様お変わりなくお元気にお過ごしのこととお喜び申し上げます。
さて、当院は今秋で開院5周年を迎えました。これもひとえに当院をご利用いただいている皆様方のご支援のおかげです。皆様からこれまでに頂戴した叱咤、激励に心より感謝申し上げます。
当院では毎年この時期にオアシス従業員の健康診断を行っています。独自の取り組みとして法定健診に加えヘリコバクターピロリ菌(以下、ピロリ菌)の抗体検査をおこなっています。ピロリ菌に感染すると、胃に炎症を起こすことが確認されていますが、ほとんどの人は自覚症状がありません。ピロリ菌感染胃炎が胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎を引き起こし、その一部が胃がんに進展していきます。
日本では上下水道が十分普及していなかった時代に生まれた人のピロリ菌感染率は高い特徴があります。
ピロリ菌感染を予防する方法は、親から幼児へのたべものの口移しに注意することが役立つと考えられます。ピロリ菌に感染している方は、持続的な胃炎のため胃粘膜の老化現象をきたしています。内視鏡検査で、ご自分の胃が若いかどうかをチェックしてみることは有効です。
ピロリ菌を薬で退治することを除菌といいます。ピロリ菌の除菌により、関連する病気の改善や予防につながる場合があります。日本人のピロリ菌感染者の数は約3,500万人といわれていますが、多くは自覚症状がないまま暮らしています。日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、ピロリ菌に関連する疾患の治療および予防のため、ピロリ菌感染者のすべてに除菌療法を受けることが強く勧められています。
オアシスの職員は当院で健康診断を受けると、無症状のピロリ感染が見つかり、医療費補助制度で内視鏡検査を受けることが可能で、そのまま除菌治療まで完結できます。実際、かなりの数の職員が健康診断を契機にピロリ除菌まで成功しております。もちろん、ピロリ菌陰性の職員にも胃がん検診として最も有効な内視鏡検査を奨励しています。
これからもスタッフ一丸となってより安全な医療、より質の高い医療を実践し、健康診断や講義を通して職員の健康意識向上につなげていきたいと考えております。
秋冷の加わる折から、皆様のますますのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。